《 論考冒頭部分より抜粋 》
日本におけるコーポレートガバナンスの議論の歴史は、難解な長編演目のようである。舞台上の役者が演じているのは見えても、あとで振り返ると全体の筋書きがよくわからない、そんなイメージに近い。これまでのコーポレートガバナンスの定義において、以下のように百人百様の態があることがそれを物語っている。

  • 株主利益に合致した行動を経営者に取らせるための仕組み
  • 会社を健全に運営するための会社法の基本的システムはどうあるべきか
  • 会社の支配構造をいかに構成するか
  • 企業を取り巻く様々な利害関係者の利害調整を目的としたもの
  • 企業と利害関係者の権利と責任の構造
  • 不祥事発生を防止するためのもの

誰が何を背景にどういった立場で語るかによって、その大意や目的が大きく変容してきたのがコーポレートガバナンスの歴史であって、一貫した共通の理解や議論の基盤があるようで無かったのが実態であった。

この論考では、コーポレートガバナンスに関する書籍によく論じられているようなエージェンシー問題といった学術的な解説や、過去からの様々な議論の内容やその背景、法整備の詳細等について包括的に整理することを目的としていない。むしろ大衆的な観点、すなわち学問としても実務としてもコーポレートガバナンスに日常的な関心があまりない読者を意識して、これまでの議論の流れをあくまで雑駁に追いながら、コーポレートガバナンス・コードの導入に至るまでの昨今の動きを概括的に追うことを内容の焦点としたい。

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《 著 者 》
櫛笥 隆亮 (くしげ たかあき)
経営者報酬部門
ディレクター

2002年タワーズワトソンに入社。入社以来、一貫して経営者報酬コンサルティングに従事し、主に大手上場企業を中心として、報酬水準や構成、インセンティブ報酬のストラクチャリングや詳細設計を通じた報酬の方針立案、及び報酬委員会への陪席を含むアドバイザリー業務などに継続的に携わる。また、関連する経営・コーポレートガバナンス体制の構築、新制度の導入に向けた機関決定支援、株主総会議案等の開示対応等についても、必要な支援を実施。